第7回 沖縄国際音楽祭「第九 ㏌OKINAWA」~首里城の再建を願う特別公演



はじめに

昨年(2020年)に感謝!! ことし(2021年)も頑張ります!!

 昨年は、首里城再建への願いとベートーヴェン第九演奏会の継続を目的にした沖縄国際音楽祭「第九 ㏌OKINAWA」実行委員会の取り組みに心あたたかなご支援をいただき、誠にありがとうございました。

 音楽ホールを飛び出し、屋外(首里城公園守礼門前)演奏、動画の同時配信、寄付金の呼び掛け(クラウドファンディング)まで全てが初めての経験で、皆様のご理解、ご支援がなければ実現できませんでした。重ねて御礼申し上げます。

 さて、首里城の再建に向けた取り組みも3年目です。私ども実行委員会も再建支援を継続し、かつ、多くの文化が交流、発展する国際交流の拠点として首里城が新しく生まれ変わることを願い、今年も第7回沖縄国際音楽祭「第九㏌OKINAWA」~首里城再建を願う特別公演を実施いたします。

 昨年よりまして充実した「第九at首里城」の動画を配信いたします。どうぞ、ご期待いただき、ぜひ、ご支援ください。


コロナ禍のなか、守礼門前で「第九」を奏でた第6回沖縄国際音楽祭の特別公演=2020年11月15日

第7回沖縄国際音楽祭「第九 ㏌ OKINAWA」~首里城再建を願う特別公演

 2019年10月31日に焼失した首里城の再建を願い、首里城公園内で「平和」「友情」「人類愛」を唱ったベートーベンの交響曲第九番を演奏することで、広く支援を呼び掛けます。また、首里城がかつて万国の架け橋(津梁)となって交易を広め、琉球の文化・芸術を育んだ歴史に倣い、再建される首里城が新たな国際交流、芸術振興の拠点として発展するよう「国際音楽祭」を通して貢献します。

【日時】2021年11月28日(日)午後3時
【場所】首里城公園内「北城郭東エリア」および「瑞泉門前石段」(予定)
※雨天時は同公園内首里杜館カフェスペース
【出演者】沖縄国際音楽祭「第九㏌OKINAWA」合唱団有志100人
ソリスト:知念利津子、新垣寿賀子、喜納響、仲本博貴
指揮者 :武田光史 / 伴奏ピアニスト:大城伸悟、山根貴志
【公演内容】第一部 第九ソリストによるコンサート 伴奏:武田光史
第二部 ベートヴェン作曲交響曲第九番「合唱」第4楽章より
【主催】沖縄国際音楽祭「第九㏌OKINAWA」実行委員会(岩崎セツ子実行委員長)
【共催】琉球放送、沖縄タイムス社
【協力】一般財団法人沖縄美ら島財団
【首里城基金への支援方法】 クラウドファンディング「Link-U」にて呼び掛け


メーン会場となる首里城公園内北城郭東エリア(予定)

2年目の舞台 城壁を背に100人で挑戦

「首里城再建を応援したい」
「コロナで第九も絶やしたくない」

 昨年は、この2つの思いを実現するため、無我夢中で取り組みました。ことしも「続けること」を最優先に実行委員の思いを確かめました。それは2026年、本殿が再建された暁に、首里城でオーケストラ付きの第九演奏会を夢見ているからです。

 歴史上、文化が交差し、交流し、独自の文化が育まれた琉球の象徴「首里城」を国際音楽祭の舞台へ押し出す取り組みです。

首里城基金へ支援 工芸品修復を後押し


(写真左)煤(すす)を被った提重(さぎじゅう)/(写真右)緊急措置で煤を取り除いた提重
(写真提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)


焼失のため昨年は延べ187人の方から173万3千円(目標額300万円)の支援金をいただき、多くの人に支えていただきました。

 一方で、首里城基金へ寄付できたのが50万円だったこともあり、身の丈に応じた取り組みしなければ、今後も信頼を得られないということを実感しています。

 今回は目標額を最低でも50万円と位置づけ、支援に対する返礼品を動画のみに整理するなど、支援金を最大限、寄付にまわせるよう経費のかけ方を工夫することにしました。

 首里城正殿の焼失を受け、首里城基金では火災から免れながらも延焼の熱などで被害を受けた美術工芸品の修復に当たっています。
(首里城公園ホームページ 収蔵品等の確認報告を参照)https://oki-park.jp/shurijo/fund/5484

 私たちの取り組みも、首里城の再建、収蔵品の修復に少しでも役に立てるよう、皆様の支援の多くを基金に生かす取り組みを重視していきます。


2019年12月から一部ライトアップが始まった、龍潭からの望む「首里城」の夜景=2021年10月13日

配信動画 特典映像付き

 今回、いただく寄付(支援金)を最大化するために、演奏会および動画配信経費、返礼品経費等を極力抑えます。そのため、リターン(返礼品)は配信動画だけとなります。

 ただ、第九合唱については昨年から倍増した100人の合唱団の迫力ある歌声をお届けするほか、ソリスト4氏にはそれぞれ独唱を依頼し、その演奏を特典映像として収録、配信いたします。

 さらに、沖縄美ら島財団様のご協力を得て、首里城再建に向けた最新映像もご紹介する予定です。

雨天決行!! 公園屋内スペースで実施

 演奏会場は今回、首里城公園内北城郭東エリアで実施する予定で、屋外となっています。

 そのため、雨天時はやむを得ず公園内の屋内施設(首里杜館カフェスペース)で実施することにしております。その際もできる限り、事前に収録した首里城の風景などを動画に盛り込み配信する予定です。

ごあいさつ 岩崎セツ子実行委員長



 第7回国際音楽祭第九 in OKINAWA、実行委員長を務めております岩崎セツ子です。

 昨年の首里城基金への寄付は187名から、173万3千円の支援がありました。けれども同時配信、返礼品、コロナ対策費、演奏会後の動画配信、などの経費がかさみ、寄付額は50万円にとどまりました。

 昨年に続く、今年、2回目特別公演<第九at首里城>の実施予定場所は、ステージを首里城公園内、瑞泉門と美しい北城郭の壁をバックに、より広い場所で合唱も倍増させたいと思っています。加えて、沖縄美ら島財団のご協力のもと、首里城再建の最新映像、など動画内容を充実させ、寄付金額が昨年を超えるよう支援くださる方々に満足いただける工夫をしています。

さらに、学生特別料金を設定し、広く次世代の参加を促したい、との思いがあります。

2026年、首里城復興が果たされても、首里城が保管している宝物の修繕、修復は保存のため恒常的に行わなければなりません。

首里城は過去の歴史が示すように、多くの文化が交流、発展する国際交流拠点でした。

世代や国境をこえ、<第九at首里城>で広く、長く、繋がるために、多くの若い世代とともに交流を盛んにしていきたいと考えます。

宜しくご協力お願いいたします。

Greetings to our friends from around the world.
Please join us and as we all sing together may all people become brothers.

にふぇーでーびる

指揮者プロフィール

 武田光史(たけだこうじ)Koji Takeda

武田光史
1973年横浜市出身。父は横浜市、母は南大東村出身。逗子開成高校卒業。東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科演奏芸術専攻ピアノ専修修了。第22回沖縄ピアノコンクールグランプリ受賞。これまでにピアノを鈴木トヨミ、平塚久子、鹿目美智子、日比谷友妃子、渡辺健二、平井丈二郎、岩崎セツ子の各氏に、指揮法を遠藤雅古氏に、和声を安藤久義氏に師事。現在沖縄県立芸術大学音楽学部非常勤講師。2010年より毎年秋に南城市文化センターシュガーホールにてピアノリサイタルを開催。今年度は11月23日(火)に開催。2011年度(第46回)沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞。


ソリストプロフィール

 知念利津子 Ritsuko Chinen ソプラノ

知念利津子
沖縄県立芸術大学声楽専攻卒業、同大学大学院修了。ドイツ・イタリアへ留学。帰国後、ヴェルディ・モーツァルト・フォーレ作曲《レクイエム》、《交響曲第9番》ソプラノソロを務める。《こうもり》ロザリンデ、《コジ・ファン・トゥッテ》フィオルディリージ、《修道女アンジェリカ》表題役《魔笛》侍女1役を演じる。沖縄県本土復帰40周年記念式典国歌演奏。2016年リサイタル、2020年ソロコンサート開催。第52回沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞、日本演奏連盟会員、日本オペラ協会正会員、藤原歌劇団準団員、沖縄県立芸術大学、琉球大学非常勤講師。

 新垣寿賀子 Sugako Aragaki メゾソプラノ

新垣寿賀子
沖縄県立芸術大学声楽専攻卒業。在学中、同大学開学10周年記念オペラ『フィガロの結婚(マルチェリーナ役)』に出演。同大学院修了後、沖縄県国外派遣留学生としてドイツへ留学。在独中にはカッセル音楽院国際夏季アカデミーに参加、ファイナルコンサートに出演しディプロムを取得。’03年、パレット市民劇場において「帰国リサイタル」を開催。沖縄オペラ協会公演にて『椿姫(フローラ役)』『リゴレット(マッダレーナ役)』『仮面舞踏会(ウルリカ役)』『ドン・カルロ(エボリ公女役)』に出演、各役とも好評を博した。’10年、音楽劇『モーイのとんち(お母役)』出演。’12年、「ピアノとギター伴奏によるサロンコンサート(沖縄市)」、’15年、「日本歌曲のサロンコンサート(東京)」を開催。’16年、南城市・シュガーホール主催の創作オペラ『あちゃーあきぬ島(母役)』に出演し好評を博す。’20年、那覇バプテスト教会において「ソロリサイタル」を開催。その他、「メサイア」「第九」「モーツァルト・レクイエム」「バッハ・カンタータ第174番」など、数多くの演奏会にソリストとして出演。
現在、那覇市首里にて「Musikschule Arakaki」を主催。

 喜納響 Kina Hibiki テノール

喜納響
糸満市出身。沖縄県立開邦高校芸術科音楽コース卒業。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学大学院修士課程(独唱)修了。日本トスティ歌曲コンクール2019にて5位入賞及びトスティ・ベルカント賞受賞。
ベートーヴェン作曲「第九」、ヘンデル作曲「メサイア」等のテノールソリストを務める。オペラでは、プッチーニ作曲《ジャンニ・スキッキ》、《トスカ》、ヴェルディ作曲《オテッロ》等に出演。演奏の傍ら、理事を務める「(一社)楽友協会おきなわ」で文化庁の委託事業として『不登校児童生徒を対象とした音楽ワークショップ』や、副代表を務める「歌あしびなぁ研究会」の“プロの声楽家が歌う校歌を学校に届けよう”という『校歌をうたおうプロジェクト』を行うなど、「社会」と「音楽」を結び付ける活動も行っている。
これまでに声楽を市原多朗、山田健の両氏に師事。上記他、沖縄県立芸術大学非常勤講師、森の音楽館那覇・安里校代表。

 仲本博貴 Hirotaka Nakamoto バリトン

仲本博貴
沖縄県立芸術大学卒業、同大学院修了。ミュンヘン国立音楽大学大学院修了。
第75回、第81回日本音楽コンクール声楽部門入選。第5回長久手国際オペラ声楽コンクール第三位。新報音楽コンクール声楽部門・一般の部第一位。 これまでにミュンヘン・プリンツレゲンテン劇場及び、ニュルンベルク市立歌劇場にてグルック作曲《メッカの巡礼》ヴェルティゴ、ルーマニア・ヤシ歌劇場にてモーツァルト作曲《コシ・ファン・トゥッテ》グリエルモ、ミュンヘンカール・オルフザールにてウルマン作曲《アトランティスの皇帝》タイトルロール、サイトウキネンフェスティバル(青少年の為のオペラ)にてフンパーディンク作曲《ヘンゼルとグレーテル》ペーター、小澤征爾音楽塾にてプッチーニ作曲《蝶々夫人》ヤマドリ、神官、モーツァルト作曲《魔笛》パパゲーノ、《フィガロの結婚》伯爵、プロコフィエフ作曲《修道院の恋》シャルトルーズ、メノッティ作曲《泥棒とオールドミス》ボブ役で出演した。また、初演作品に於いて三枝成彰作曲オペラ《KAMIKAZE -神風》野島久一伍長、中村透作曲オペラ《あちゃーあきぬ島》龍王を演じ、瑞慶覧尚子作曲合唱組曲《喪のある景色》ではバリトンソロとして出演した。宗教曲、コンサートのソリストとしては、バッハ作曲《ヨハネ受難曲》、《クリスマスオラトリオ》、《ヒンメルスファーレン》、ヘンデル作曲《メサイア》、ハイドン作曲《天地創造》、 モーツァルト作曲《レクイエム》、ベートーヴェン作曲《第九》、マーラー作曲《若人の歌》、 ハイドン、モーツァルト、シューベルトミサ曲をドイツ、スペイン、国内で演奏した。バイエルンの作曲家50人では、ヨーゼフ・スーダーの歌曲を演奏し、バイエルン・クラシックにてラジオ放送された。沖縄県立芸術大学非常勤講師、日本声楽発声学会会員、日本声楽発声学会・沖縄声楽発声研究会理事。


伴奏者プロフィール

 大城伸悟 Shingo Oshiro ピアニスト

大城伸悟
沖縄県立芸術大学音楽学部卒業、同大学大学院修了。ドイツ・デトモルト音楽大学歌曲伴奏科卒業。これまでに、嘉陽笑子、宮城正枝、佐久間龍也、ライ ナー・ヴェーバー、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、クリスタ・ ルートヴィヒに師事する。第6回おきでんシュガーホール新人演奏会オーディションにて共演者賞を受賞。デトモルト音楽大学在学中より、声楽、管楽器クラスの非常勤伴奏員を勤めた。室内楽シリーズ Ensemble X、A.シェーンベルク:《月に憑かれたピエ ロ》、B.バルトーク:《二台のピアノと打楽器のためのソナタ》、G.C.メノッ ティ:オペラ《電話》、F.プーランク:オペラ《人間の声》、N.リムスキー=コルサコフ:オペラ《モーツァルトとサリエリ》、P.マスカーニ:オペラ《ザネット》、H.ヴォルフ:《イタリアの歌の本》全曲演奏、S.プロコフィエフ:バレエ《ロメオとジュリエット》の意欲的な企画で脚光を浴びた。一般社団法人楽友協会おきなわ代表理事、一般社団法人沖縄県立芸術大学同窓会理事、沖縄県立芸術大学非常勤講師。


 山根貴志 Takashi Yamane ピアニスト

山根貴志
沖縄県立芸術大学音楽学部卒業ならびに同大学院修了。
ピアノソロおよびデュオリサイタルや室内楽コンサート等を多数開催。声楽伴奏では特に歌曲の演奏解釈、合唱伴奏で高い評価を得ている。第2回沖縄国際音楽祭「第九in OKINAWA」ではディミトラ・テオドッシュー氏と2晩のソプラノリサイタル共演。
 沖縄県立芸術大学音楽学部ピアノコース非常勤講師を経て、現在では沖縄古来のわらべ唄等を保存し継承する活動に積極的に関わる傍ら、後進の育成や作曲・編曲活動に力を注いでいる。
 ピアノを東迎りい子、喜屋武明子、岩崎セツ子の各氏に、リート解釈法をノーマン・シェトラー、チャールズ・スペンサーの各氏に師事。